「奇跡の大地」本を買い取りました。
奇跡の大地
ヤア・ジャシ 峯村 利哉
買取価格 1,123円
家族は森に似ている。外側から見ると、単なる密生した樹木の集まりだが、内側から見ると、一本一本の木に独自の立場があることがわかる。(アカン系民族に伝わる箴言)
アフリカの大地で生き別れた姉妹、アシャンティ族とファンティ族その子孫たちのあまりに数奇な運命。
8代にわたる家族の物語は以前世界的なベストセラーになった「ルーツ」(アレックス・ヘイリー)を彷彿とさせるものがありましたが、本書の舞台はガーナ。
奴隷として黒人を買うのは白人、しかし黒人を奴隷として売り渡すのも黒人。
奴隷を出荷していたとされるケープコースト城、城の中では白人の現地の妻として大切にされる黒人がいましたが、見えない地下は、食事もまともに与えられない奴隷の一時預かりの倉庫となっていたのでした。(現在は観光地、博物館となっています)
世代が変わるにつれ舞台はガーナからボルティモア、ニューヨークへと変わっていきます。
全て人の名前で括られた章になっていて、一応家族の系図もありますが、全然見る事もなく一気読みでした。
読後作者の経歴を見たのですが…まだ26歳でこれを書き上げるとは…
2017年アメリカン・ブック・アワードにも選ばれた本書は世界24カ国で版権が売れたという代物。
映像化される可能性も充分ありそうですが、人が鞭で打たれるところは読むだけでも辛くなってしまいました。
先日読んだ「地下鉄道」(コルソン・ホワイトヘッド)の話も登場します。
選んでいるつもりはなかったのですが、今年はこういう本にご縁があるのかもしれません。
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