「風神の手」本を買い取りました。
風神の手
道尾秀介
買取価格 474円
「心中花」「口笛鳥」「無常風」「宵待月」の章からなる本作。
鮎の火振り漁を背景に長い時間を経て3つの物語が最後に思いもかけない形で繋がるという本作。
扉にあるコナンドイル「ジョン・ハックスフォードの空白」の意味が最後の最後にわかります。
本の厚みはそれほどでも無いのに、時間軸が長く、二転三転して行くので引き込まれて一気読みしてしまいました。
読後にタイトルの意味を納得、改めて本を元に戻して、カバーがサンドアートで描かれていている事を発見!
もう一度「手」に納得。
今の若い人や子供たちにはわからない感覚かもしれませんが、ちょっと前までは人と会う約束をすると直前の時間の変更とかって結構難しかったのですよね〜。相手が必ず固定電話で連絡がとれるところにいるならいいですが、携帯電話がない時代というのはなかなか大変…
信じられないかもしれませんが、昔の駅には伝言用の黒板が置いてありました。
「先に行っている 〇〇」とか「ごめんなさい △△」←意味深なものまで公開されてました。
時間が経つと消されてしまうので、見て欲しい相手もあまりに遅れた時間だと見る事が出来ないというシステム。
きっと切ない事も起きてしまったりしたのだろうな〜と自身にはさほど思い当たる節がないので想像するだけですが…
雨が降ったら逢う約束をしたのに行けなくなる主人公がいて、電話番号(家電ね)も知らないので会話を思い出しながら相手の家を探して行くシーンがあるのですが、なかなかに必死で、可愛いのでした。
←「「奇跡の大地」本を買い取りました。」前の記事へ 次の記事へ「栃木県栃木市の古本屋さんと古本市」→