「酸っぱいブドウ/はりねずみ」本を買い取りました。
酸っぱいブドウ/はりねずみ (エクス・リブリス)
ザカリーヤー・ターミル 柳谷 あゆみ
買取価格 756円
著者は現代シリア文学、本邦初訳。著者は1931年シリア・ダマスカス生まれ。小学校卒業後、13歳から製鉄工として働きながら図書館の本を濫読し、独学で教養を培う。短編集などの刊行で国際的にも知られる存在になるも、言語・思想に厳しい制限が加えられるシリア国内で活動を続けるのが困難になり、現在は英国オックスフォードに移住。児童文学・ジャーナリズムの分野でも活躍中。
59の掌編からなる「酸っぱいブドウ」と6歳の僕が主人公の「はりねずみ」の2作からなる本書。
「酸っぱいブドウ」不条理という言葉がこれほどしっくりくるものはないというのが第一印象。
暴力・性差別・貧困がそこかしこにあふれているのですが、読むことを止める事は出来ませんでした。一編が平均1ページくらい。(1回ではわからないものも、読み直しやすかった)
「はりねずみ」宗教観の違いや生活の違いはあるものの、子どもの目から見た大人や、その時の価値観などはどこの国も大差は無いような気がしました。主人公は壁や木と話ができる男の子。年の離れた兄と両親と暮らしています。イタズラ好きでみんなを質問攻めにするのが大好きな僕の日常。
ここでもまた不条理な出来事がたくさん…30年後の僕は…。
シリアといえば、ついこないだまでは辛いニュースで聞く事が多かった国ですが、ようやく落ち着いたという事もあって最近は耳にする事が減ったような気がします。
遠い国の作品ですが、文学に隔たりは無いと思った次第です。
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