肌寒い夜に熱い落語界の内情を読んでみる。
五月も半ばとなりました。沖縄ではもう梅雨入り、夏間際のニュースは聞こえてくるものの、まだ朝晩の肌寒さを感じるので冬物の羽織るものが室内に置いてあります。(扇風機もすでに登板しているので季節感が…)
いつもであれば夜遊びに行きたくなるようなフワッとした気持ちになるのですが、今年はどうもいつもとは違うようです。まあ夜遊びといっても落語会とか映画なんですけどね(^-^)
出かける気にならないので、読む落語でもと思いながら本屋で見つけたこの本。
円丈師匠がまだ若かりし頃の落語界が分裂やら何やらの大変な騒動になっていた経緯をストレートに書いたもの。
今から30年以上も前に出版されたものの文庫化。本書に登場する師匠たちはほとんど鬼籍に入られたのですが、当時はかなりの影響力で、真打昇進まもない円丈師匠は本当にひどい目にあったというのがよくわかります。せっかく真打ちになり、お披露目もしたのに師匠と取り巻きの一存で落語協会を出ることになったため寄席に出れないという悲劇の始まり、そして突然の別れ。落語会を揺るがした大騒動の一部始終を書いた当時の問題作。(今読んでも十分に問題作ではあります)
人を笑わす商売の内側の凄まじさというか…子供の頃「笑点」で見ていたあの人が!と思うような話ばかりですが、本書の最後に「ご乱心 三遊鼎談」という事で三遊亭円丈・三遊亭円楽・三遊亭小遊三の三師匠での対談が掲載されています。
今現在落語家として登録されている人数は800人超え!(残念ながら最近も揉め事がありました)同じ演芸でも、講談の方は絶滅危惧職種ともいわれています。
面白いんだけどね〜、うまい人の講談。こちらのファンも増えて欲しいものです。
師匠、御乱心! (小学館文庫)
三遊亭 円丈