初秋の夜には短編集もおすすめ!
ようやく朝晩は涼しくなり、夜の虫の声に癒されている毎日です。
スーパーでは新米入荷の文字も見かけ、野菜も魚も美味しい「食欲の秋」が近づいています。
猛暑で消耗した体力を補いながら、過剰な摂取とならないように注意しなければ…と心に決めているのですが、店頭では中々の誘惑が待っております。今年も秋刀魚は不漁のようで秋の代名詞ではなく秋の高級魚の扱いのようです。
落語「目黒の秋刀魚」も秋刀魚は昔は庶民の魚であったという別の解説が入りそうです。
食欲だけでは無く、読書にももってこいの気温になってきます。
今週の積ん読は( ̄▽ ̄)
「ホーム・ラン」スティーヴン・ミルハウザー著・柴田元幸訳/白水社。
あとがきの前に著者自ら短編について熱く語っていて、訳者あとがきにも本国では16本の短編が1冊の本に収まり出版されたが、日本の出版事情ではそれは難しく、著者にお伺いをたて8つづつ、2冊に分けての出版となった経緯も説明されています。二冊目「夜の声」(仮題)は来年出版予定だそうです。
出版されるたびに読んでいるミルハウザーですが、短編集なのに一気読みしてしまいました。来年が待ち遠しい!
次は「赤い砂を蹴る」石原燃著/文藝春秋。第163回芥川賞候補だった本作。読後著者来歴を読んで津島佑子氏の娘である事を知りました。津島佑子著「ジャッカ・ドフニ 海の記憶の物語」を読んだのは昨年だったか…この辺からもうアイヌブームは来ていたのかも…石原燃氏は太宰治の孫にあたるのですね…親族が作家か政治家になっているといのは、やはり家系の為せるものでしょうか…
劇作家である著者の作品は初読み、ブラジルのミランドポリスにある日本人移住者のヤマと呼ばれる農場と日本が舞台の本作。
157Pの本作ですが、時間も場所も超えて家族とは?を問いかける内容にこれもまた一気読み!
2冊続けて、似たようなテーマが描かれていたので驚いたのですが、いろんな事を考えるきっかけとなりました。
しばらく夜は読書三昧!