文芸書など39冊を買取
いまだ不要不急の遠出自粛中、いつも使っている乗り換え案内アプリvs時刻表みたいな事をやってアプリの素晴らしさを実感した熱帯夜、もしかしたら、別ルートがあるのでは?なんて無駄な対決をしてみましたが、すごいですね〜、アプリ!勝てない…
おかげで時刻表の隅々まで読む事ができました( ´∀`)今回は購入していませんが、青春18切符での検索も可能なので、第三セクターのややこしい部分もきっちりカバーされていました。いろんな事が落ち着いたら、また18キッパーをやろうかと思った次第です。
さて先日の買取にあった「パチンコ 上下」ミン・ジン・リー著/池田真紀子訳・文藝春秋社。
ギャンブルは嗜みませんが、めくることしば…止まらないっ!先が気になってご飯もそこそこに…
4世代にわたる在日コリアン一家の苦闘と帯にもあったのですが、もう壮絶というか…登場人物の成長を追っているうちにあっという間に完読。
時代は1910年、韓国併合と呼ばれる条約が結ばれ、それは35年間にも及び、第二次世界大戦が終わるまで続きました。
釜山の影島で小さな下宿屋を営む両親の元で大切に育てられた一人娘キム・ソンジャ。
未婚のソンジャが小さな命を宿した事から一家の運命は大きく変わって行きます。
抗うことの出来無い政治の流れ、貧しい生活、時代は戦後となり生活も変化していきますが、運命の波はますます大きく一家を翻弄するのでした。
1989年の最後の部分で救われたと思ったのは私だけでは無いはず…今年読んだ中で一番ともいえる本でした。
巻末に日本での出版にあたり読者へのメッセージがあり、この本が出版されるとは思っていなかった、とあります。
著者は30年にもわたる取材や推考でこの本を書き上げましたが、もしも出版社に売ることができなければ、学術出版社にコンタクトし、後世のために無料で提供しようかとも思ったと…
アメリカでは2017年に発刊された本作、アップルTVでのドラマ化も決定しているようです。
騙されたと思われてもかまわないのでオススメしたい本作でした。