『Nのために』 湊かなえ -10/17(金)よりテレビドラマスタート♪
湊かなえさんの“てっぱん”ミステリー。
ある事件についての、4人の関係者「N」の一人称の証言が重なると
過去の事件の、新たな真実が浮かび上がります…。
一人目のN・杉下希美(Nozomi)
二人目のN・成瀬 慎司(Naruse)
三人目のN・安藤 望(Nozomi)
四人目のN・西崎 真人(Nishizaki)
そして、野口(Noguchi)夫妻。
初めて読んだとき、まずこんなにイニシャル「N」がいるもんだ、
と変なところに感心してしまいましたが、笑
回想を一人称で語ってつづられていくミステリーのスタイルは、
有名な「告白」(松たか子さん主演♪)も、
テレビドラマの「高校入試」(長澤まさみさん主演♪)でも
用いられていた湊さんの得意技!!
一人ひとりがつく、ちょっとした嘘や隠しごとが、
見えている事実を変えていくんですね・・・。
ドラマの公式ホームページでは
湊かなえさんは「初のラブストーリーです」とコメントしていましたが、
一般的なラブストーリーとは、やはり一線を画しているなぁと思います。
ラブストーリーを読むとき、
主人公か、恋の相手か、、登場人物の誰かに感情移入して
もどかしい!とかせつない!とか
心が揺さぶられて気持ちが動くのが醍醐味だと思っているのですが、
「Nのために」は
4人それぞれの立場の一人称で一つの事件が語られていくので、
どうしても読者は俯瞰で状況を見つめるような立場で読み進めていきます。
整理しながら読まないと事件の全容の謎が解けませんから。
なので、やっぱりこの小説はラブストーリーというより謎解きミステリーだと思います。
ドラマでは、原作には出てこなかった「高野茂」という刑事が
ストーリーテラーとして出てくるようです。
そうすると見ている私たちは謎ときに追われるというより
登場人物ひとりひとりの気持ちに感情移入できるようになるかも。
ドラマ版もまた、小説とは違った楽しみ方ができそうですね♪
原作はライトな“一気読み系”小説なので、1日で読めてしまうかと。
ドラマの第一話を見てから、キャストのイメージを当てはめて読んでみるのも良いかと思います!
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