慶應本科と折口信夫 いとま申して2/北村薫
慶應本科と折口信夫 いとま申して2
北村 薫
買取価格 648円
タイトルの『折口信夫(おりぐちしのぶ)』の文字にひかれて読みだす。
民俗学を知っている人だけではなく、歌人として釈迢空(しゃくちょうくう)の名前で教科書に載っていたのを
思い出す人もいるかもしれません。
読んでいる途中でサブタイトルの「いとま申して2」というのは前作「いとま申して 童話の人びと」の続編で有ることを気付き、あわてて、第一作を入手。
結果、2を読んでから1を読むという事にはなりましたが、2冊とも小説ではなく、完全ノンフィクション。
しかも実父の日記(昭和4年から7年)をもとにして書かれた壮大なスケールの物語。
出てくる人たちがスゴイ…羨ましい、そんな時代に慶大生でいたらどんなに勉強に励んだか…
教壇には西脇順三郎、折口信夫。
舞台には市村羽左衛門、中村福助。
以下本文より
―――― 9月25日
折口先生初めての授業。梓の話。――――――
これは折口信夫全集にもある梓および梓弓の講義ではなかったか…
柳田国男の高弟としても有名な折口信夫、民俗学研究書でしか馴染みのなかった名前ですが、いきいきと教壇にたっています。
そして、学生である主人公も早慶戦(野球)の勝敗に少しずつ夢中になっていく様子や風俗などが今までにない形で描かれています。
1冊目で投げかけられた謎、≪春来る神≫は2冊目でも解明できず、下巻末のエピローグまで語れないとの作者の言葉。
3作目が待ち遠しい…
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