天鬼越/北森鴻・浅野理沙子
天鬼越: 蓮丈那智フィールドファイルV
北森 鴻 浅野 里沙子
買取価格 648円
北森鴻氏急逝から5年がたとうとしています。
蓮丈那智シリーズももう読めない…と思っていましたが、昨年の『邪馬台』に続いて、待望の新作!
前回同様、浅野理沙子氏との共著の形をとっています。
短篇6の内、2つは北森鴻氏が連載していたもの(「邪馬台」以前)1つはプロットが残っていたもの、3つは浅野氏オリジナルです。完読するまであまり違和感もなかったのでどっぷり蓮丈ワールドに浸っておりました。
「真贋などどうでもいいことだ…こうした文書が偽書であるなら、なぜ生まれたのか、あえて偽書の形をとることでしか伝えられなかった真実はなんなのか、その来歴を探ることこそが重要だろう、それが民俗学の立場であり、真贋を探求するのは、古文書学者の仕事である。」
相変わらずの舌鋒の鋭さ、場の空気を読むなどという言葉は蓮丈先生持ち合わせていませんから…
美人民俗学者で酒はマラッカジンのタンカレー、いつもおびえている助手の内藤三國。
いいコンビです。
あとがきに作品を書くにあたっての浅野氏の言葉がありますが、公私共にパートナーだった彼女の、
「北森鴻」を忘れないでください のフレーズは読後にジーンときました。
他の作品もまた読み返してみようかと思っています。
浅野さん、北森さんはきっと「Aプラス」と言っていますよ。
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