親鸞「四つの謎」を解く/梅原猛
親鸞「四つの謎」を解く
梅原 猛
買取価格 712円
梅原猛氏と云えば、哲学から縄文文化、日本仏教まで幅広い出版物がありますが、今回は著者自身が親鸞聖人が亡くなった90歳、同年齢になったのをきっかけとして、かねてからの謎であった4つの事象に関して究明。
1.出家の謎
2.親鸞が法然門下に入門した謎
3.親鸞の結婚の謎
4.親鸞の悪の自覚の謎
とりわけページを割いているのは「3.親鸞の結婚の謎」
この時代(鎌倉時代前半)において僧侶が結婚するというのは極めて珍しい話、結婚してからの出家であればまだしも、9歳にして出家し、20代も後半になりかかる時期に結婚というのは…
今であれば特におかしな話ではありませんが、何故結婚したかという部分にこれほどまで文章を割いているかは本書を手にとってじっくり読んでいただきたい部分です。
まだまだ女性蔑視のキツイ時代にかなりの進歩的な考えが作用したと思われます。
以下本誌、法然「一百四十五箇条問答」より
問い:女性がものを妬む心が強いのは罪深いことでしょうか?
答え:ただよくよく一心に念仏しなさい。
質問したのは女性だったのでしょうか?質問には直球で答えず、ただ念仏しろと答えています。
他の質問もいくつか載っているのですが、わりとふわっとした感じの答えがあり、親鸞の師匠ともいわれる法然にも興味がわいてきました。
不信心というか無信心ではありますが、たまにこういう本を読むのも面白いと感じた次第です。
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