SOY!大いなる豆の物語/瀬川深
2015年04月28日 category : <高価>古本買取情報 タグ: GDP
SOY! 大いなる豆の物語 (単行本)
瀬川 深
買取価格 570円
豆です、大豆です。まさにタイトルにあるように豆の物語なのですが、予想もできない展開。
27歳、大卒、無職。最初に勤めた会社で躓いてしまったイケてない主人公。
何が悪かったのかもわからないまま、2年勤めた会社を辞めてからは、日払いバイトと友人とのゲーム制作でなんとなく過ごしている毎日。突然送られてきた1通の封筒から話は始まります。
岩手、パラグアイ、満州と本人の意思とは関係なく舞台・時間軸は次から次へと展開していきます。
日頃何も気にすることなく食べている物、味噌であったり、醤油であったり…
とりあえず大豆製品であれば「遺伝子組み換え」してません。の文字は目にするものの、
それがどのような事を意味するのかははっきりわからないまま、変なものは使ってないらしいよ~、くらいの判断。
食品に異物混入となれば、大いなる驚きと注意喚起をするのですが、原材料や農業・漁業などの一次産業に関しては
関心が薄いというか…主人公である原陽一郎と同様。
TPPや関税撤廃にしても、損得の部分しか強調されていないような印象すらあります。
「食の安全」も過剰に追求していくと、口にできる物は自分の手で作り上げるしかないのでは?というような極論になってしまいがちです。
読後、「無関心」が一番怖い事ではないかと思った次第です。
508pに及ぶ作品ですが、読みやすくて考えさせられる1冊。
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