ニッポン旅みやげ/池内紀
ニッポン旅みやげ
池内紀
買取価格 464円
ドイツ文学者でもありエッセイストでもある著者の旅エッセイ。
「ニッポンの山里」(山と渓谷社)・「ニッポン周遊記」(青土社)の続くシリーズ三作目。
普通の観光地には行かないし、目線が全然違います。一人旅ならではのもっともっと聞きたくなるエッセイが3ページに収められています。
鳥打帽(ハンチングの事ね)・着古したジャケットとジーンズ、足元はラバーソール。背中には黒いハートマン製リュックサック。路上共和国の枢密顧問官のいでたちで旅した街は北海道から鹿児島まで40。
金沢の「ハーケンクロイツ」から富士吉田の「誉之家*」まで普段の旅では見つけられないモノばかり。
*「誉之家」(ほまれの家と読みます)おそらく戦争で亡くなった遺族に国が贈ったと思われる標識。
お金をかけて遠くに出掛ける事が旅では無い事を短い言葉で教えてくれる一冊です。
散歩ですら旅になりそうなイケウチ先生の目線、最近見かけなくなった銭湯の話や、祭りの時は当日と次の日に宿をとる話など、旅の極意も満載。
読後、無性に旅というか壮大なる散歩に出たくなりました。
ゴールデンウィークとか関係無く旅に出れなかった人、今は出かけられない人にも読んでいただきたい本です。