清沢満之が歩んだ道 その学問と信仰/藤田正勝
清沢満之が歩んだ道
藤田 正勝
買取価格 615円
仏教者としても、明治の哲学者としても名高い清沢満之の生い立ちと生涯を描いた一冊です。
尾張藩の藩士の息子として生まれた清沢満之ですが、小学校卒業後、入学した学校は明治政府の方針で廃校になり、その後入った医学校も設備が整わず休校になった為やむなく退学。行き場を失った時に勧められたのが東本願寺が設 立した育英学校でした。
弟子の暁烏敏(あけがらすはや)に「自分はとても思う様に学問の出来ぬ境遇に居つたから、一生学問さして呉れると云うのが嬉しさに、坊主になつたので、決して親鸞上人や法然上人の如く、立派な精神で坊主になつたのではない」と語っていたようです。
人の転機と云うものはいつやって来るかも来ないかも予想できない事、勉強を続けたいという思いはのちの弟子たちに大きな影響を与えて行きます。
本の後半部分は哲学者としての清沢満之を掘り下げています。西田幾多郎とのかかわりであったり、帝大時代の先生であったフェノロサの影響等。
文中、余の三部経として「歎異抄」「阿含経」「語録」(古代ギリシャ・ストア派の哲学者エピクトーテス著作)を挙げています。
「歎異抄」は半分しか読めなかった私としては勉強不足でしかないのですが、きっかけとしてまた挑戦してみようかとも思いました。
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