吉本隆明〈未収録〉講演集第6巻 国家と宗教のあいだ
吉本隆明〈未収録〉講演集第6巻 国家と宗教のあいだ (シリーズ・全集)
吉本 隆明
買取価格 523円
1965年11月から2003年9月まで約38年間の講演からテーマ別・内容順の配列になった本。
著者40歳から78歳までの長い期間の講演集です、初めて講演集という物を読んだので若干の読み難さ(語り口調の文書の為)もありましたが、飽きずに完読。
おおまかに4つのテーマで成り立つ本書ですが、中でもⅡの「社会現象になった宗教」「わが状況的オウム論」は何回か読み直しましたが、そのなかで「社会現象としての宗教はおれのところんいくればそれは大丈夫、救われる、いい気持ちにすることが出来るのだというふうに確信を持っているのが新しく社会現象として出てきた宗教だと思います。古い宗教はしようがなくて死の世話役をやろうかということになっているのではないでしょうか云々」という下りがあって、実際、今その通りなんだよね、お寺の数はコンビニより多いと云われている日本で住職不在の「空き寺」と呼ばれる寺が2万以上あるとの話も。
葬儀という通過儀礼の場所でしかなくなりつつあるお寺と、問いかければ答えを出してくれそうな宗教団体。
宗教離れという言葉も聞くけれど離れてしまったのは古い宗教側なのか、民衆側なのかとかいろいろ考えるきっかけにはなりました。
「日本的なものとはなにか」から始まって全12巻まで出版予定との事ですので、腰を据えて読んで考えようと思った次第です。
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